【楽しい?つまらない?】メーカーにおける理系の職種と仕事内容を解説します

エンジニアのキャリア

理系の大学や高専からの就職先として多いのが大手メーカーですが、学生からみると設計以外の仕事はあまり知られていなかったり、設計の仕事についても正しく理解されていないことが多かったりします。

理系学生
理系学生

メーカーで設計がしたいです!

キャリ造
キャリ造

設計以外にも理系が活躍できる職種は色々あるので視野を広げてみましょう!

この記事では、造船・重機系メーカー3社を渡り歩き、生産計画、開発、知的財産と現場から事務仕事まで経験した私がメーカーにおける理系の職種と仕事内容を解説していきます。

この記事はこんな人におすすめ
  • 大手メーカーへの就職を考えている学生
  • 大手メーカーへの転職を考えている社会人

理系向けの職種と仕事内容

理系向けの職種と仕事内容を製品開発の上流側から紹介していきます。製品が何かによって違いはありますが、造船や建設機械のような重工業系の場合、以下のような体制であることが多いです。

商品企画・開発

マーケティング部門や営業部門が集めた市場のニーズや知的財産部門からの他社特許情報、研究開発部門が持つ自社技術など様々な情報を基に、売れてかつ利益が出せる商品を企画する部門です。文系出身者が多い印象ですが、技術的な視点での分析や判断も必要で理系出身者も活躍できます。

ただし、総合的な分析・判断を行うには経験や人脈が必要で理系出身の新卒がいきなりここに配属されることは少なく、他の部門で経験を積んで異動してくるケースが多いです。

知的財産

主に特許や意匠、商標といった知的財産権の取得や活用に関する戦略を立案、実行する部門です。自社技術や商品デザイン、商品名を適切な形で保護することで他社が模倣することを防止して参入障壁を作ったりします。

逆に他社特許などの知財情報は商品企画の方向性にも影響を及ぼしますので、商品企画・開発に次ぐ上流工程に位置づけています。

研究開発

商品に実装する差別化機能となる要素技術の研究・開発を行う部門です。要素技術の種類は業界によって異なりますが、材料、構造、流体、電気、制御が代表的なもので、造船の場合ですと、推進性能、操縦性能、耐候性能、構造(材料)、電気(制御)となります。

大手メーカーですと独自に技術研究部門を持っていますが、不足する知見は大学との共同研究といった形で補います。大学との共同研究での繋がりを活かして社会人ドクターとして博士号を取得して研究者としてのキャリアアップを狙うこともできます。

基本設計

商品企画で決まった商品企画(自動車、建設機械などの量産もの)や顧客からの引き合い(造船などの一品受注もの)に応じて、製品の基本仕様を定める部門です。設計部門ですが顧客や他部門との調整も多くコミュニケーション力も重視されます。

顧客や商品企画部門、営業部門との連携が必要なので東京や大阪の本社に置かれることが多く、設計の最上流工程なので人気部門なのですがその分、配属されるための競争は激しいです。

詳細設計

基本設計で製品の各基本仕様が決まるのですが、その基本仕様を満たすための具体的な設計を行う部門です。部門分けがどのようになっているかは製品によって異なりますが、造船の場合は、船殻設計、船装設計(配管、装備品、居室など)、機装設計(エンジンなど動力周り)、電装設計(電気機器、配線など)といった形で部門分けされています。

どこまで詳細に設計するかについてですが、例えば、配管の場合は配管系統図、電気の場合は回路図の作成までを行い、配管や配線をどのように取り回すかについては、後工程の生産設計で行います。

調達

詳細設計で必要な機器や材料などが決まりますが、それらが許容できる価格と納期、品質で調達できるのかをサプライヤーと調整する部門となります。

私は調達部門の仕事を直接経験していませんが、詳細設計担当者としてエンジンの冷却ファン周りの樹脂カバーを設計したときに、調達部を介して樹脂パーツメーカーと調整してもらい、許容できるコストで現実的に作れる設計か一緒に検討したりしました。

生産設計

配管の系統図や電気の回路図といったものは詳細設計で設計するのですが、実際の製品に配管や配線をどのように展開していくのかといったことを設計する部門です。

「現場で配管が取りつかない」、「干渉した」といったトラブルがあると、この部門に先ず苦情が来たり現場の改善活動に巻き込まれることも多く大変な部門という印象でした。

生産技術

主に製造設備の新設、更新、改造、整備の計画を立てる部門です。これまで紹介した設計部門が製品を設計するのに対してこちらは製品を製造するための工程や設備を設計する部門といったイメージです。また、設計部門の設計図面を具体的な作業手順書まで落とし込む仕事を行う場合もあります。

設備の工事は工場が休んでいるときに行うので世間一般の休日に働き、平日に休むといった働き方になる点には注意が必要です。

生産計画

納期内に工事(製造)を完了させるための各種工事予定表を作成する部門です。

例えば、船の構造が完成してしまうとエンジンは後から載せれないので、船体のここの構造まで出来上がったらエンジンを搭載するといった感じで、他分野の工程と調整しながらきちんと成立する工程表を作成します。

工程表を作成する以外にも現場でトラブルが起きて工程が上手く進まないときにその対応をしたりするなど予定表作成以外の業務も多いです。

製造部スタッフ

現場において製造部員(技能職)が効率よく安全に作業できる環境を整えるのが仕事です。設計部門と製造部員との間に入って不具合の対応や改善活動などを行います。生産技術と生産計画との境界はやや曖昧で、生産技術や生産計画の業務の一部を行うこともあります。

名実ともに現場感が強いのですが、私がいた造船メーカーでは意外にも東大、阪大、九大出身者がいて現場のトップ(製造部長や各課長)になることが期待されているポジションという印象で、製造部門を軍隊(自衛隊)で例えるなら将校(幹部自衛官)に相当するイメージです。

製造部員(技能職)

実際に現場で組み立てや溶接、塗装といった作業を行う部門で技能職と呼ばれています。

技能職は独自の組織体制があり、例えば、現場主任(課長補佐)、作業長、チームリーダーといった形で階層が分かれています。多くが工場で採用された工業高校出身者で製造部門を軍隊(自衛隊)で例えるなら下士官・兵卒(曹士)に相当するイメージです。

品質保証

製造部門で製造された製品が要求される品質を満たすか検査・認定する部門です。機器の運転・調整なども行ったりもします。また、顧客に納入後に起こったトラブルの解決を行ったり設計部門と解決策を考えたりといった仕事もします。

製品やそれに搭載されている機器を実際に触って動作させられるという点は他の部門にはない魅力です。

学歴と採用区分によるキャリアや仕事内容の違い

大手メーカーは公務員や軍隊(自衛隊)のように巨大な官僚組織となっていることが多く、入社時の学歴と採用区分によってキャリアや仕事内容に違いが出てきますので解説します。

本社採用・総合職(大学・大学院卒対象)

この採用区分では、本社人事部が採用や研修などの管理を行います。大学・大学院卒向けの新卒採用ではこの採用区分になることが殆どです。また、企業によっては高専卒もこの採用区分で採用する場合もあります。

配属先は、製造部員(技能職)を除くそれまで紹介した部門の全てが対象となります。部門別採用をせずに内定後に配属先を通知する企業の場合、どの部門に配属されるかは正直配属ガチャですので、キャリアの方向性を自分でコントロールすることは難しいです。さらに、一度現場部門に配属されると現場部門間での異動はありますが、基本的に設計部門への異動はなかったりします。

総合職なのでどこまで出世できるかについて天井はなく、昇進スピードも後述の事業所採用よりもずっと速いです。ただし、全国に拠点が散らばっている大企業では全国転勤があるというデメリットもあります。

また、私の経験上、大手メーカーの総合職は国公立大学または有名私立大学卒が殆どで、それ以外の大学からの採用例は極めて少ない印象です。

事業所採用・一般職・専門職(高専・短大・専門・高卒対象)

この採用区分では、各事業所(工場)の総務部が採用や研修などの管理を行います。したがって事業所ごとに選考と採用を行います。この採用区分の主な対象者は高専や短大、専門学校、工業高校といったいわゆる非大卒なのですが、大卒であっても総合職で採用されるのが難しかったり全国転勤を受け入れられない場合は大卒であってもこの採用区分で採用される場合もあります。

総合職なではないので「普通に働いて昇進できるのは課長補佐まで」とった感じでどこまで出世できるかについてガラスの天井があります。昇進スピードも総合職採用よりもずっと遅く、後から入社してきた年下の総合職に抜かれるということも当たり前にあることを受け入れなければなりません。ただし、全国転勤がなく異動も殆どないというメリットもあります。

この採用区分はさらに技術職と技能職に分かれているので詳しく解説していきます。

技術職

事業所採用であっても、各設計や生産技術といった製造部員(技能職)以外の職種(技術職)で採用している場合もあります。新人から若手の間の仕事内容は同じ部門の大学・大学院卒総合職とあまり差はありませんが、基本的には総合職の補助業務をずっと続けていくという働き方になります。したがって、長い目で見るとジョブローテーションや異動といったキャリアパスや昇進スピードに差があることは理解しておく必要があります。

総合職と比較して昇進やキャリアパスが制限される一方で、転勤を伴う異動がなかったり大きな責任を負わなくてワークライフバランスが取りやすいというメリットもあります。

技能職

現場で実際に作業する職種で工業高校出身者の多くが技能職として採用されます。大手メーカーの場合、技能研修センターのような技能職を養成する部署と施設があり、技能職として入社すると半年から1年そこで研修を受けたり溶接などの資格を取得するなどして現場に配属されます。

キャリアパスとしては技能職という枠組みの中でチームリーダー、作業長、主任(課長補佐)といった形で昇進できますが、現場のトップ層(例えば、組立課長や製造部長)には製造部スタッフの総合職によって占められます。このあたりの組織体制は軍隊とよく似ています。

まとめ

以上、大手メーカーの職種や仕事内容、キャリアパスなどを解説しました。こうしてみるとこれだけ多くの部門が協力して大手メーカーの仕事が回っており、どの仕事も必要不可欠なものです。

大手メーカーにおける応募(採用)区分の選択や配属先希望の選択に役立てていただければと思います。

キャリ造
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