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個人発明家として100円ショップやホームセンターに並んでいるようなアイデア商品を考えて、企業に商品化してもらうことで収入を得たいと考えている方も多いのではないでしょうか。
実際に主婦や子どもが特許を取得したことがメディアで話題になったりもしています。

私も便利グッズを考えて収入を得たいです!

実際にアイデアを考えて特許出願して企業に手紙を送るまでにしたことをまとめましたので参考にしてください!
この記事では、本業で知財の仕事をしている私が実際にアイデアを考えて特許出願して企業にアイデア提案書を送った体験を基に、商品アイデアを商品化するまでのポイントを解説していきます。
- 商品アイデアを考えて収入を得たい人
- 副業探しをしている人
新商品のアイデアを考える
商品となるアイデアがないことには何も始まりませんので、先ずは「商品アイデアを考える」ところからスタートします。
とはいえ、いきなりアイデアを出せと言われてもアイデアは簡単に出てくるものではありません。ですが、天才的な閃きやセンスがなくても、日常の困りごとから出発して手順を踏んでアイデアを出していけば普通の人でも斬新なアイデアを出せる可能性はぐっと高まります。
ここでは、私がアイデアを考えるときに踏んだプロセスを紹介していきます。
アイデア商品を買ってくれそうなターゲットを設定する
誰が買ってくれるのか考えずに、「自分が売りたいもの」から商品アイデアを考えても独りよがりで売れないアイデアとなってしまい、収入には結びつきません。
そのため、商品を売りたいターゲットを決めて「ターゲットとする客が欲しがるもの」を考えていく必要があります。
ここで悩ましいところは、ターゲットとなる人が世の中に少なすぎるとビジネスになりにくいですし、ターゲットとなる人が多すぎても競合が増えたり差別化が難しくなるのでターゲットの範囲は適切に決める必要があります。
企業のように大規模な市場調査ができない個人発明家としてはターゲットは自分と同じ趣味・趣向を持っている同年代を設定するとターゲットの趣向を掴みやすいのでやりやすいです。
例えば、主婦の場合ですと同じ主婦を対象に家事を効率化するアイデア商品を考えたり、女子学生の場合ですと同年代の女子学生を対象にアクセサリーに関するアイデア商品を考えたりといった事例があるので王道の方法です。

私自身をモデルにこんな感じでターゲットを考えました!
- 30代男性
- 地方在住
- 既婚、子育て中
- 釣りやキャンプといったアウトドアが好きでSUVやクロカン車を愛好し

ターゲットを一言で言うと「車のカスタムに興味があるアウトドア志向のカーユーザー」となります。車いじりが好きなので斬新なアイデア商品を受け入れてくれそうですし、キャンプ場や河川敷でよく見かけるタイプなのである程度のボリュームもあるかと思います。
ターゲットの困りごとをリストアップする
ターゲットを決めたら、そのターゲットが普段感じている困りごとをリストアップしていきます。ターゲットのモデルは自分自身なので自分が困っていることをそのままリストアップすればよいです。
この例の場合ですと、「ターゲットが車を使う上で感じている困りごと」を思いつくままにリストアップしていきます。

- 強風時に隣の車や壁にドアパンチしそうになる
- 青空駐車なので車の傷みを抑えたい
- 水道も電源もない場所で洗車したい
- 飛び石傷を防ぎたい
- 車の盗難が心配
- 後部座席への追突が心配
- 猛暑で車内が高温になる
- 鳥にフンをされて塗装が痛む
- 後部座席への乗り降りが不便
等々
また、独りよがりなリストにならないようにネットでも車に関する悩み事に関する記事を調べてみます。車を持っている人は多いのでネットで調べてみても悩み事は直ぐに出てきました(猛暑で車内が高温になることに悩んでいる人が多いようです)。
解決したい困りごと(課題)を設定
これらからどの悩みを解決するか選ぶのですが、「個人で試作・検証できるレベルを超えるもの」はやめておいた方がいいです。試作・検証もできないので有用性の証明が困難ですし、安全は最重要問題ですので企業も個人のアイデアの採用には躊躇するためです。
したがって、車の安全性や走行性能に関わる部分は個人で対応できる範疇を超えるので除外します。
そして、アイデアが思いつきそうな課題を選びますが、ここは行き当たりばったりで構いません。課題を設定してアイデアを出したものの、調べてみたら既に同じような商品が出ていて没、また別の課題を設定してアイデアを考えるといったように右往左往します。
但し、アイデアばかり先行してターゲットや困りごと(課題)が置き去りにならないように注意しましょう。
そして、紆余曲折の末、「強風時に隣の車や壁にドアパンチしそうになる」という課題とそれに対応するアイデアの種をいくつか思いつきました。

車に乗っていれば誰にでも起こりうるトラブルなので需要がありそうです!

設定した課題に対してアイデアを考える
設定した課題に対して、常識に囚われずに質より量でアイデアを考えていきます。とはいえ、考えても思いつかないことがほとんどです。しかし、課題を意識しながら日常生活を送るとふとしたときにアイデアを思いついたりします。そして、アイデアを思い付いたら忘れないうちにノートにメモしておきます。
「ドアパンチ」という課題に対して当初、「ドアを一定角度で固定できる器具」のアイデアをいくつか思いつきましたが、試作しても上手くいかなかったり、既に商品として世に出ていたりしてお蔵入りとなってしまいました。
実際に、ドアを開き過ぎないようにする商品として以下のような商品が既に世の中に出ています。
この商品にも弱点があり、ジムニーの運転席側の天井にはグリップがないのでそもそも取り付けられないですし、ゴムバンドの長さを調整しながら窓に挟むのは煩わしかったりします。
そこで、「隣の車にドアパンチしたとしても傷つけを防止する器具」を考えることにしました。
既に商品として以下のようなドアモールやドアプロテクターが出回っています。
これらの商品を分析すると以下のような問題点が浮かび上がりました。
課題:車に乗っていると隣の車にドアパンチをしてしまうリスクが常に付きまとう。
従来技術:ドアパンチ対策としてドアモールやドアプロテクターが売られている
従来技術の問題点:ドアモールはカッコ悪い、デザイン性を考慮したドアプロテクターでは保護が不十分
実際に街中を走っている車を見てもドアモールがついている車は「おじいちゃんが乗っている古い車」といった印象で、見た目がダサいということで敬遠されていそうです。

そこで、必要なときにだけドアプロテクターを取り付け、使わないときは車内に違和感なく収納できる商品を作れないかと考えました。
そして、「内装として使われているクッション材を必要に応じてドアプロテクターとして使う」ことを閃きます。
100均の材料で試作品を自作してアイデアを具体化する
アイデアを思いついても何らかの形で具体化しないと絵に描いた餅のままで次には進めません。そこで、100円ショップで買える材料でよいので試作をしてみる必要があります。
実際に発泡スチロール板とカーペットを使って「車に後付けするアームレスト」を作ってみました。カーペットで作ったクッション材を磁石で車に貼り付けてドアプロテクターとして使う単純な仕組みですが、このような単純なアイデアの方が特許として押さえられると大きな脅威となりやすいです。

不格好ですが一先ず形にしてみました!


マグネットでクッションをアームレストまたは車のドアに貼り付けられるようにしています!


実際に作って実験してみるとアイデアの良し悪しもわかりますし、試作を通じて出てきた問題点を解決することで完成度も高まってゆきます。
試作して実際に使ってみた結果、使えそうという感触を得ました。
調査をしてアイデアをブラッシュアップ
少し話は変わりますが、試作に時間や費用を投入する前に市場調査や特許調査を行っておくべきです。
理由は、全く同じ商品や発明が既に世に出ている状態では特許を取ることができないためです。権利のなければ、個人が既存のメーカーと対等に話すことは困難となり、開発や試作の労力も意味がないものになってしまいます。

今回は、市場調査としてネットやカー用品店でドアパンチ対策グッズを調べるといった単純な調査をしました。
さらに、特許調査もしましたが、現状知られている技術としては従来のドアモールやドアプロテクターの文献ばかりヒットして、今回のアイデア「内装として使われているクッション材を必要に応じてドアプロテクターとして使う」は見つからず、権利化の可能性ありという結論となりました。

特許調査については以下の記事を参考にしてください!
アイデアは公開する前に特許出願を済ませておく!
試作を通じてアイデアが固まって、調査しても同じようなアイデアは世に出ていないようなので「権利化可能性あり」という感触を得ました。
ここで大事なことは「SNSやwebサイトに掲載したり、企業に売り込みをする前に特許出願する」ということです。
特許出願していない状態で発明を公開してしまうと、新規性を失って権利取得ができなくなり、発明内容を見た他人に真似されても何も言うことができなくなってしまいます。

特許出願の必要性については以下の記事を読んでみてください!
この特許出願の書類作成や手続きはかなりの専門知識が求められます。
私の場合は、本業が知財で明細書作成経験もあるので自分で書きましたが、普通の人にまともな出願書類はまず書けませんので特許事務所の弁理士に依頼しましょう。


以下の記事に解説していますが、特許事務所に依頼して出願するだけで30万円くらいかかります…。
個人が「ビジネスになるかどうかもわからないアイデアにこれだけの費用を出す必要がある」ことが最大のハードルだと思います。個人で特許事務所に依頼して特許を出すのはよほど裕福でないと難しいので個人発明家として活動することは簡単なことではありません。
ここに関しては私は裕福ではありませんが「自分で出願手続きができる」という優位性をもっているので副業として挑戦することにしました。
参考までに私が明細書や図面をどんな感じで書いたかを紹介しておきます。
権利範囲(特許請求の範囲)を決める
特許請求の範囲で権利範囲が決まりますし、特許請求の範囲に合わせて図面や明細書を書いていくので非常に重要な工程です。まだ出願内容は未公開なので、実際の請求項は書きませんが、以下のようなことに留意して書いています。
- 対象車種のジムニーに限らず様々な自動車に使われる模倣品をカバーできるように記載
- アームレスト以外の模倣品もカバーできるように記載
- 不要な構成要件は入れず、構成要件は極力少なくする
- 各構成要件についても上位概念化を検討
- 拒絶理由通知に耐えうるように段階的に限定した従属項を追加
- 損害賠償額を考慮して自動車カテゴリの請求項も追加
特許請求の範囲に対応する図面を作成する
特許請求の範囲を説明するための図面を用意します。特許事務所の弁理士でも自分で自在に図面を描ける人はなかなかいない印象です。
この点、私は趣味の船舶模型でCADを普通に使っているので、図面も自分で描きます。

趣味がこんなところで役立ちました!
特許事務所ですと、visioやイラストレーターといった有料ソフトを使うかと思いますが、私個人は持っていないので、無料で使えるJW-CADで書きました。
無料なので制約はいろいろあるのですが、自分の特許出願に使う図面として充分なクオリティの図面をJW-CADでも描くことができました。JW-CADで描いた図面(ジムニーの側面図)はこんな感じです。

図面情報を文章化しながら特許請求の範囲をサポートするように明細書を書く
明細書ですが、図面情報を文章化しながら特許請求の範囲を十分に説明するように明細書を記載していきます。

明細書に書いていないことを後出しで追加することは基本的にできないのでしっかり記載します!
記載要件を満たすという意味もありますが、広い特許請求の範囲をしっかりサポートして広く権利化したり、拒絶理由通知に対して補正できる内容をできるだけ仕込むように意識しながらしっかりと書いていきます。
特許請求の範囲、明細書の修正を繰り返す
明細書を書き進めると、特許請求の範囲の修正点が見えてきたりするので適宜修正して、明細書にもそれを反映するといったことを繰り返しながら、納得のゆくものに仕上げていきます。
電子出願
今は、マイナンバーカードと家電量販店で2000円程度で買えるカードリーダーを用意すれば簡単に電子出願ができます。費用の支払いも様々な支払方法に対応しています。

進め方としては電子出願サポートサイトを見ながら進めていきます。わかりづらい部分もありますが丁寧に進めればできるかと思います。
気を付ける点としては図面のフォーマットやアップロードくらいかと思います。
特許出願したら売り込み開始!
特許出願しましたら、企業にアイデア提案書を送ってアイデアの紹介をします。
私の場合はA4サイズで5枚程度の提案書を作成して、カー用品メーカー数社に送付しました。

提案書の一部はこんな感じです!




企業に提案書を送ってみた結果、「個人からのアイデアを受け付けていない」という返事もありました(大きな企業では個人の提案を受け付けていない場合が多いです)が、不採用であってもしっかりとフィードバックをしてくれた企業もありました。
その企業からは「内装品を車外で使うことに対して抵抗感が懸念される」という的確なご指摘をいただくことができました。

即採用とはいきませんが、改良に繋がる貴重な反応を得ることができました!
とはいえ、「内装品を車外で使うという斬新さ」という点では手応えも感じたため、企業へのアプローチはしながらも試作品を完成度を高めて、SNSでアピールして認知度を広げてゆきたいと考えます。
まとめ
このように、アイデアを考えて、試作をして、特許調査をして、特許出願して、企業に売り込むところまで達成することができました。
特許出願までの多くのハードルを知財の専門知識を使って乗り越えましたが、マーケティングや宣伝といったところは素人なのでアイデアを広く知ってもらうということはなかなかに難しいです。
今後はアイデアを広く知ってもらいビジネスに繋げる活動に力を入れたいと思います。

「マモレスト」という商品名をつけてインスタグラムで紹介しています!






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