大手メーカーの場合、工場は地方(特に僻地)に立地している場合がほとんどです。したがって、地方で暮らしながら東京勤務に憧れを持つエンジニアや理系の学生も多いのではないでしょうか?

東京勤務に憧れがあるのですが、実際はどうなのでしょうか?

私の東京勤務経験に基づいてメリットとデメリットを解説します!
この記事では、大手メーカーにおいて半年間、東京本社に単身赴任した経験と定期的に東京へ出張している経験に基づいて、東京勤務のメリットとデメリット、東京勤務を叶える方法について解説します。
- 東京で働きたいエンジニア
- 東京で働きたい理系の学生
東京に単身赴任して感じたメリットとデメリット
先ずは、東京勤務のメリットとデメリットを解説していきます。私は地方で暮らしていた期間が長いので初めての東京暮らしは新鮮なことばかりです。ここでは、一般的なことではなく、地方工場目線で地方から出てきて印象的だったり、地方工場と比較して不公平感を感じたことを中心に解説していきます。
東京勤務のメリット
普通に生活しているだけで最新の流行・情報が入ってくる
東京暮らしで先ず感じたのは普段の生活の中で入ってくる情報の多さです。印象的だったのが、駅にある沢山の柱にデジタルサイネージが取り付けられており、放送予定のアニメやイベントの宣伝をしており、「今はこのアニメが注目なのか!」と最新文化の情報が常にアップデートされていきます。
通勤電車の中にも、紙の広告はもちろん、モニターで様々な動画がながされており、業務効率化ツールや英会話スクールといった習い事といったビジネスに繋がる情報であふれています。
したがって、東京で生活していれば、わざわざ調べなくても最新の流行・情報が自然に身についていきます。

娯楽と店の選択肢が多い
東京では、ファッションやグルメ、エンターテイメントで溢れており、様々な趣味や趣向の人であっても楽しむことができ、刺激で満ち溢れています。
私の場合は、サウナとホビー(ラジコンやプラモデル)を趣味としていますが、それを存分に楽しめる環境が東京に揃っていました。
サウナについては、手軽なスーパー銭湯から本格的な店までとにかく選択肢が多くて、休日はサウナ巡りをしていましたが、行先候補のサウナが尽きることはありません。ホビーについても、秋葉原に行けば何でも買うことができます。

グルメについても、東京のものから各地方の名物までなんでも食べれます。僻地には絶対ないラーメン次郎に通ったり、ゆかりのある島根が恋しいときには、島根のアンテナショップに行って島根名物を楽しんだりと何でも食べることができます。

イベント、スキルアップ、恋愛といったチャンスを掴みやすい
ライブや芸術を始めとする文化・娯楽系のイベントは東京を中心に開催されるので、生活圏内でこれらのイベントを満喫することができ、移動に伴う交通費や労力がかかりません。
資格試験も東京で行われることが多く、例えば、弁理士試験の場合、2次試験会場は東京、大阪、最終試験は東京と、資格試験においても地方の人には余計な費用と労力が発生します。さらに、大手資格予備校の教室は東京や大阪といった大都市にしかないため、地方の人は勉強においてもハンデを抱えることになります。

また、理系のエンジニアにとって恋愛や結婚は簡単なことではありません。マッチングアプリなどで恋活するとしても、人が集まる東京では地方に比べて圧倒的にチャンスが多いです。
公共交通機関が充実で車不要
30分から1時間に一本しか来ない田舎と異なり、電車は数分単位で来ますし、バスも充実していて、公共交通機関で首都圏のどこへでも行くことができます。
私はサウナに行くために埼玉県や千葉県にも足を延ばしますが、公共交通機関が充実していて車なしでも困ることはありませんでした。
車は購入・維持にとにかくお金がかかるので車なしで、生活も娯楽も充実させられるのは経済的にありがたいことです。

憧れのキラキラオフィスで働ける
大手メーカーの本社は駅近のきれいな高層ビルにあることが多いです。ロビーのゲートに入門カードを「ピッ」とかざして入館すると都会勤務であることを実感します(地方工場は紙ペラの通門カードを守衛にチラ見セする超アナログ手法です…)。
オフィスもとにかく綺麗で洗練されていて、窓からは大都会の景観が広がります。しかも、オフィスの一角には、コーヒーやみそ汁が飲み放題、さらにオフィスグリコ的なものがあって、お菓子屋や飲み物を購入することもできたりと、ドラマでしか見たことのない世界が現実に広がっています(田舎者全開の感想ですが…)。

地方工場で働いている人にこれを見せたら暴動が起こるレベルで、東京本社と地方工場の大きな環境・待遇格差は日本の社会課題とも言えそうです。
テレワークやフレックスを利用しやすい
現場がなく、デスクワークしかないので東京本社ではテレワークしている人が多いです(キラキラオフィスがもったいない…)。東京という土地柄、最新の働き方が受け入れられやすい雰囲気でフレックスで満員電車を回避して10時頃に出勤してくる人も多いです。

地方工場では、働き方に対する考えが旧態依然であり、現場に合わせて動くため、毎日定時出社が基本でこんなところでも格差を感じます。
子どもの教育環境が充実している
東京で暮らしていて印象的だったのは子ども向けのプログラミングスクールがいたるところにあることでした。これは習い事のほんの一部で、東京であれば、学習塾はもちろん、様々習い事を通じて子どもの個性を伸ばしてあげることができます。
今の私は田舎で暮らしていて子どもがいますが、小さいうちは自然の中でのびのびと過ごさせていてよいと思いますが、小学生以降の教育環境の格差で個性を潰してしまうのはかわいそうですし、車を運転できない子どもの行動範囲内でできる体験の幅が狭すぎることも子どもにとってマイナス要素です。

東京勤務のデメリット
満員電車がつらい、しかし回避は可能
通勤・帰宅ラッシュ時の満員電車は本当に地獄です。ダンプカーに積まれた土砂のように他人とぎゅうぎゅう詰めにされ、人間・生物であることを否定された気分になります。
しかし、前述した通りテレワークやフレックスが利用しやすい環境のため、満員電車を回避しやすく、デメリットといいにくくなってきています。

家賃が高い
住んでいてメリットが多い土地のため、当然家賃は高いです。ですが、大手メーカーの場合、家賃補助や寮といった福利厚生によって自己負担額を抑えることができます。多くの場合、東京の家賃相場に応じた家賃補助額となり、東京勤務に有利な制度となっています。
それでも自己負担額が地方勤務より高くなることもありますが、東京在住のメリットをお金で買っていると考えればデメリットとも言えないと思います。
また、金食い虫である車がないことで家賃の高さによる経済的負担も軽減されます。

車所有のハードルが高く、プライベート空間での移動が難しい
家賃と同様、駐車場代は高いです。さらに、車がなくても生活にも娯楽にも困らないので、車は贅沢品として駐車場代の補助は受けられないと思っていた方がよいでしょう。
いくら公共交通機関が充実しているとはいえ、大荷物や小さな子どもとの移動は大変です。
地方で家とガレージを建てて趣味の車を数台持っている友人がいますが、普通の人が東京で同じようなことをするのは難しいです。

自然を感じにくい
当たり前ですが、大都会なので普段の生活で自然を感じにくいです。とはいえ、普段は都会で便利な暮らしをして、連休のときに旅行をして自然の中や田舎でリフレッシュすれば満足できるので、そこまでデメリットとも言えないです。

東京勤務のおすすめ業界と職種
一般的にメーカーの技術職が東京本社勤務になる可能性はかなり低いです。ですが、就職・転職活動で業界や職種、企業を上手に選択することで東京勤務が確約されたり、東京勤務の可能性を高めることができます。いわゆる配属ガチャによる離職を防ぐために大手メーカーの新卒採用においても、事業や職種ごとに募集・選考を行う企業も増えているので、勤務地を自分でコントロールしやすくなってきています。
ここでは、理系向けの技術職かつ東京勤務しやすい職種である知的財産の仕事について簡単に紹介します。
大手メーカーの知的財産部
技術の知識と法律の知識を使って、自社の技術やデザイン、商品名といった知的財産の保護や活用を行う部門です。事業戦略を決める部門や特許事務所と連携する必要があることから、大手メーカーの場合でも東京本社にある場合が多いです。
特許事務所の弁理士
前述の知的財産部から依頼を受けて、特許庁に提出する書類を作成したり、特許庁とのやり取りの代理をする事務所です。東京にある特許庁や知的財産部と連携する必要があることから、東京や大阪といった大都市にある場合が多いです。
まとめ
東京勤務について、多くの人にとってメリットばかりで、デメリットもデメリットと言い切れないので正直東京勤務は勝ち組と言えるでしょう。
ですが、私も家族も東京に住みたいとは思いません。休日は好きな車で家族とドライブしながら道の駅や観光地を巡ることが趣味であることと、日常的に自然を感じたいので、福岡、広島、神戸といった中堅都市が最も住みやすかったです。
一方で僻地工場と呼ばれる場所と東京本社との間で、労働環境や生活環境の格差・不公平感は大きなものがあります。今後、理系出身者の多くが東京勤務を目指してしのぎを削り、敗者が僻地へ流れるといった構図が固定化されていくと思われます。
このままでは、優秀な人材がものづくりの現場からますます離れていき、ものづくりが衰退してゆくという課題を挙げて、この記事を締めくくりたいと思います。

僻地勤務の厳しい現実も解説しています!





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