【働きながら独学合格】3年・15万円で弁理士試験に合格した私の合格体験記

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弁理士になるには先ず弁理士試験に合格しなければなりません。しかし、理系最難関資格とも言われる弁理士試験に合格するまでの見通しが立てられず弁理士試験に挑戦することを躊躇していたり、弁理士試験の勉強を始めてみたものの挫折したり諦めそうになっている人も多いのではないでしょうか?

会社員
会社員

弁理士試験に挑戦したいのですが、合格までの道のりが遠すぎて躊躇しています…。

キャリ造
キャリ造

お金をかけずに無理なく合格するための勉強スケジュールを紹介します!

この記事では、無理に一発合格を目指すのではなく、現実的な学習方法としてオンライン講座を活用して費用を約15万円に抑えながら無理せずに約3年かけて2500時間勉強して弁理士試験に合格した私の合格体験記を紹介します。

この記事はこんな人におすすめ
  • 弁理士試験に挑戦しようか悩んでいる人
  • 弁理士試験対策に行き詰まっている受験生
  • 知財業界への転職・キャリアチェンジを考えている人

私が弁理士試験に合格して弁理士になるまで

私は特許事務所に転職して実務の習得と弁理士試験の勉強を並行して進めました。最終的に私が目指すキャリアとは少し違うものなってしまいますが、弁理士試験に合格するができたので、具体的なエピソードを交えて紹介していきます。

弁理士を目指した理由

大学院修士課程修了後、大手機械メーカーに新卒で入社しました。様々な部署を回って業務を体験するという研修で生産技術の部門で研修を受けたときの課題が、「溶接時に発生する煙を吸引しながら溶接ができる溶接トーチの開発」という課題で、3DCADによる部品設計、3Dプリンタによる試作品製作を行い溶接トーチが完成。そのとき、指導担当から「折角、新しいものができたから特許出願しよう!」ということで特許のことなどほぼわからないまま弁理士面談へ。弁理士と弁護士の区別もついていなかった私はこのときはじめて弁理士という士業があることを知ります。

配属後、大学との共同研究に関わり再び、特許出願を経験します。当時の私は、専門家志向が強く、大学との共同研究をきっかけに会社の制度を利用して社会人博士になりたいと考えていました。しかし、私の研究テーマは会社が推している研究テーマから大きく離れており社会人博士の候補者になることは困難な状況でした。

そこで、興味を持った資格が理系向け資格の中でも権威がある技術士弁理士でした。まずは、取り組みやすい技術士第一次試験(電気電子部門)に挑戦して合格します。

キャリ造
キャリ造

技術士についてはこちらで詳しく解説しています!

しかし、技術士第二次試験を受験するには実務経験など所定の要件を満たす必要があるので、すぐに受験というわけにはいかず、特に受験資格のない弁理士試験に挑戦しようと考えます。

そして、35歳までには弁理士試験に合格して今の会社での状況に変化がなければ特許事務所に転職したいとなんとなく考えるようになります。

弁理士試験初挑戦の受験1年目→短答不合格

そんなわけで、軽い気持ちで弁理士試験に挑戦しようと考えますが、弁理士試験の入門テキストを購入して弁理士試験について知ると、なんらかの講座を受講しなければ合格は困難だと知ります。

キャリ造
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私が読んだ入門テキストはこちらです!

資格講座について色々調べましたが、半分好奇心で勉強を始めた私にとって大手資格予備校に40~50万円以上つぎ込むことは考えられなかったので、業界最安値のスタディングを見つけ、10万円以下で学習が始められることもあって2019年10月頃からスタディングを受講を開始します。

キャリ造
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スタディングについて知りたい人は以下のリンク先や記事を参照してください!

年明けの2020年2月にはスタディングのビデオ講義を1周して、例年5月にある短答式試験に向けてLECの短答過去問集を解きながらスキマ時間を活用してビデオ講義の復習を繰り返し、LECの短答模試を受験したりしました。

しかし、2020年春頃からコロナ渦が世界中に拡大し、例年5月の短答式試験は2020年の9月下旬まで延期されます。しかし、勉強を始めたばかりで準備不足だった私にとってはスケジュールに余裕ができたので、短答式試験の勉強は継続しながら論文式試験の勉強(過去問の写経)に手を出したりして9月の試験本番を迎えます。

キャリ造
キャリ造

福岡会場(福岡工業大学)で撮った写真です!

試験本番では実力は出し切れたという感触でしたが結果は32点で不合格でした。合格基準点は例年39点なので私は「1年目でこれだけ点がとれたのだから2年目の短答式試験は余裕で合格できるだろう」と油断してしまいます。それもあって、短答式試験後は論文式試験の勉強(過去問の写経)を中心に勉強を進めます。

特許事務所に転職した受験2年目→短答合格、論文不合格

はじめての短答式試験が不合格に終わり、2020年の年末までは論文式試験の勉強を中心に進めますが、年明けから転機が訪れます。正月休みと休み明けの仕事への憂鬱感から転職サイトに登録して特許事務所の選考に挑戦することにします。現在働いているメーカーと付き合いがあって知っている事務所でそこそこの規模がある特許事務所Aに絞って選考を受けることにしました。その事務所は大都市に本部オフィスがあり、私が現在暮らしている地方都市(彼女(今の妻)の出身地で私も大学時代から暮らしているので馴染みがある)にも地方オフィスがあるので、将来的に私も妻も暮らし慣れた地方都市で働き続けられるというのもその事務所に絞った理由でした。

そこそこ大きな特許事務所なので選考難易度が高いと考えていて、「そこだけ受けて落ちたら特許事務所への転職は一旦諦めて今の会社でキャリアを続けよう」と考えていました。

しかし、一次面接、筆記試験、二次面接を突破して内定まで辿り着きます。私はこれで「弁理士になるためのレールに乗ったのであとは走り続けるだけ」と考えて喜びます。そのときの話では、入所から少なくとも2年は大都市の本部オフィスで修行して、それから元々暮らしていた地方都市にある地方オフィスに赴任するという話でした。

そして、3年間働いた大手メーカーを3月末で退職して、本部オフィスのある大都市に引っ越しをして5月の連休明けから勤務開始することとなります。しかも、3月に付き合っていた彼女と結婚して、結婚早々妻と住み慣れた土地を離れて見知らぬ土地に引っ越すということで一緒についてきてくれた妻には感謝しかありません。

こうして、特許事務所で働くことになったので、弁理士試験に合格するしか道はなくなりました。弁理士試験の勉強にもより一層本気になり、短答式試験の勉強に立ち返って勉強します。しかし、最初の試験で32点出せたので合格基準点の39点まで上げるのは余裕と考えていましたが、実際には30点を超えてから点数は急に伸びにくくなり、模試の点数は30点台で伸び悩みました。

試験本番は、2021年の7月下旬でしたが、結局模試での最高点は34点と39点には及ばずに試験本番を迎えます。

試験本番での手応えはあまりなく、意気消沈して帰宅、夜に自己採点するとピッタリ39点で希望が見えます。しかし、マークミスなどで1点でも落としていたら終わりなのでヒヤヒヤしながら8月中旬の合格発表を待ちます。

結果としては合格基準点ピッタリの39点でギリギリ合格していました。

一方で特許事務所での業務ですが、しっかりと指導を受けることができ、指導されたことを吸収して自分自身の成長を感じる充実した時間を過ごすことができました。大都市の高層ビルにあって環境もよく、静かな環境で集中して作業に打ち込むという働き方も私に合っていたので、「メーカーを辞めて特許事務所に来てよかった」と思っていました。

しかし、短答式試験が合格なのか不合格なのか不確定で、しかも燃え尽きてしまったのか、短答式試験後の論文試験の勉強にあまり力が入りませんでした。

そして、8月下旬の試験本番で全くといっていいほど何も書けず、ひどい点数で不合格となりました。

3年目→短答免除、論文合格、口述合格

前年の論文試験で全くといっていいほど手も足もでなかったことから危機感を感じて、論文試験後直ぐに次年度に向けた勉強に取り組みました。

過去問や答練を時間を計りながらひたすら紙に書いて、様々な出題パターンと文章を書くことに慣れるようにしました。

一方で、特許事務所での状況が大きく変わります。当初、少なくとも2年間は大都市の本部オフィスで修行してその後、地方オフィスに赴任するという話でしたが、入所から半年で地方オフィスに赴任することが所長から告げられます。住み慣れた地方都市に妻と帰れるということと、地方オフィスに赴任させても大丈夫と判断されたと前向きに捉えます。地方都市→大都市→地方都市という短期間に数回引っ越すことなり大変でしたが、妻と引っ越しを乗り越え、11月から地方オフィスで勤務を開始します。

しかし、地方オフィスは本部オフィスと全く違う事務所という環境で、私の上司にあたるリーダーが独裁者として振る舞っている環境でした。半年研修を受けただけの私が上司が要求するレベルの仕事ができるはずもなく、存在や人格を否定されながら激詰めされる地獄のような日々が始まります。

また、度重なる引っ越しに費用もかかり、自由に使えるお金も大手メーカー時代よりずっと減ったことから生活も苦しく、毎週末業務スーパーが買いだめして、お金は妻が用途ごとに封筒に入れて管理するといった節約生活を送ります。

弁理士試験に合格してクビになることを回避して状況を変えたいと一層危機感を持って論文式試験の勉強を続けます。

論文式試験の勉強はレジュメ集の内容を覚えつつ、過去問を実際に答案を作成しながら解いてゆき、さらに、中古で入手したLECの論文答練も解いて様々な出題パターンに慣れるようにしました。また、判例やLECの口述アドヴァンスドテキスト(一行問題対策)、各審査基準にも目を通して重要事項の暗記も行いました。

論文式試験本番は2022年の7月上旬で、手も足も出なかった去年よりはまともに書けた実感はあったものの9月末の合格発表まで不安を感じながらひたすら待ちました。結果は合格でした。

論文合格発表から最後の口述試験まで約1か月しかないので、家族や弁理士の先輩に練習に付き合ってもらったり、予備校の模試や会派の練習会をこなしながら、口述アドヴァンスドテキストを徹底的にやりこみました。

必死で勉強した甲斐があって10月下旬の試験本番では特実、意匠は雑談まで進み、商標は時間ギリギリで終わったので合格を確信し、そして、実際に合格することができました。

弁理士登録するも、特許事務所を去り弁理士登録抹消へ

弁理士試験に合格し、弁理士登録に必要な実務修習も無事に修了して、2023年の5月に弁理士登録されます。

キャリ造
キャリ造

念願の弁理士バッジを手に入れます!

しかし、特許事務所での状況は悪化の一途を辿ります。上司の人格を否定する発言に耐えかねて反論したことがきっかけで仕事を干されて飼い殺し状態になってしまいます。そして、私に問題があるという心象が所内に形成され、所長から事実上の戦力外通告を受けてここでのキャリアが終わったことを悟り、転職活動を始めます。

子どもも生まれたばかりで、特許事務所で疲弊しきっていた私は安定を重視して、大手メーカーの知財部への転職を成功させ特許事務所を去り、維持費用がかかる弁理士登録も抹消しました。この転職活動でも弁理士試験に合格していることは大きなアピールになりました。

この転職で見知らぬ土地へ家族と引っ越しすることになっていまいましたが、キャリアの立て直しに成功して、家族と旅行や娯楽を楽しんだり、欲しいものを悩まず買えるまでに生活に余裕が生まれました。

気軽な気持ちで弁理士試験に手を出したことがきっかけで良くも悪くもキャリアと生活が短期間で目まぐるしく変わりました。ですが、現在は知財業界で在宅勤務もしやすい環境で残業もそこまでなく、家族と旅行や娯楽を楽しめるくらいにはなっているので結果としてはよかったと思っています。自分でキャリアを選択してきた結果なので後悔もしていません。ですが、家族には心配と迷惑をかけたのでこれからは家族を第一に考えてゆきたいです。

弁理士試験合格までにかかった費用と時間のまとめ

これまで私が弁理士試験に合格するまでを具体的エピソードとして述べてきましたが、まとめると、私は3年かけて3回目の受験で最終合格することができ、最終的に教材に使った費用は約15万でした。

使った費用15万円の内訳はざっとこんなところです。オンライン講座の合格者インタビューに答えたり、教材を売ったりして費用を回収したので15万円以内に収まりました。

  • オンライン講座(スタディング):約7万円
  • 市販テキスト購入費:約4万円
  • 模試代(大手予備校):約4万円

まとめ

弁理士試験合格まで3年かかりましたが、予備校に通わずにオンライン講座と市販テキスト、中古の予備校テキスト、短答模試、口述模試で合格することができました。

一方で、弁理士資格を活かすために特許事務所でのキャリア形成にも並行して取り組みましたが結果として失敗しました。単に弁理士試験に合格するだけでは何も変わらず、弁理士資格を活かせる環境構築を行う重要性、難しさも実感しました

この記事が弁理士志望者の試験対策、さらには知財業界でのキャリア形成の参考になればと思います。

この記事を書いた人
キャリ造

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高専卒社会人から大学編入して船舶工学を学び日本船舶海洋工学会奨学褒賞を受賞しました。造船・重機メーカー3社、特許事務所を経験し弁理士試験に合格、現在は知的財産の仕事をしています。それらの経験から高専卒業生や知財業界志望者から相談を受けることもあり、エンジニアのキャリアに関する情報発信を始めました。

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