【地方は楽しい?つらい?】メーカーにおける地方勤務の生活と楽しみ方

地方での仕事・移住

メーカーの工場の多くは安価で広大な土地を確保できる地方にあることが多いです。したがって、メーカーで勤務する以上常に可能性として付きまとうのが地方勤務です。

特に技術系は一度地方に配属させると定年までそこで働くことになることはざらにあります。

若手技術者
若手技術者

僻地に配属となってしまい、これから一生ここで過ごすのかと思うとつらいです…。

キャリ造
キャリ造

地方勤務を楽しみながらキャリアを積み重ね、自分が働きたい場所で働けるようにするための準備を進めましょう!

この記事では、私が複数回の転職を通じて、大都市(東京・大阪)、中堅都市、田舎で勤務した経験を基に、地方勤務の生活と楽しみ方、未来に向けてやるべきことについて解説します!

この記事はこんな人におすすめ
  • メーカー志望の就活生
  • メーカー地方工場勤務の若手エンジニア

転職や退職を考えるべき?

当然なのですが「地方勤務になったからという理由で直ぐに転職や退職」することは以下の理由でおすすめできません。

  • 現場でしか得られない経験を積む機会を逃すことになる
  • 短期離職の経歴を履歴書に残すべきではない

「石の上にも三年」という言葉は好きではありませんが、転職先の採用担当者からみて「すぐに辞めそう」と判断されないためにも得られる経験と知識を全て得るつもりで3年は頑張ってみましょう。ものづくりの現場経験は転職活動でのアピールになるはずです。

新卒から3年経過すると学部卒は25歳、院卒は27歳となりますがある程度社会人経験を積んだ転職適齢期でもあるのでこの年齢で転職しても全然遅くはありません。

地方勤務のメリットとデメリット

ここでは私は都会と僻地の両方で勤務して感じたメリットとデメリットを整理します。地方・僻地での生活について一般的に言われていることと少し違う所もありますので参考にしてください。

地方勤務のメリット・楽しいところ

自然豊かでアウトドアが楽しめる

これは地方・田舎の魅力として真っ先に挙げられれる点です。海で釣りやマリンスポーツを楽しんだり、山で登山やキャンプを楽しむといったことは大都会ではなかなかできません。

大都会では車の維持も難しいので自分の車を運転して自然の中に繰り出すことも難しいです。

私も自然の中で遊ぶのが好きなので、東京に単身赴任してた頃は、自分の車も、アウトドア用品も、アウトドアができる場所もなく、自然の中に自由に繰り出せる生活が恋しかったです。

家賃が安い

地方は都会に比べると家賃がかなり安いです。例えば3LDKのマンションを東京都心で借りると家賃月30万円を超えることはざらですが、同じ間取りでも私が住んでいる地方では7万円くらいで借りれます。

したがって、少ない家賃負担で浮いたお金を他のことに回すことができます。

満員電車に乗らなくてよい

東京の満員電車を半年間経験した感想を表現すると「もはや人としての扱いはされず、家畜以下、ダンプカーに積まれた土砂と同じ扱い」です。

それくらい東京の満員電車は辛いもので大変なストレスになりますが、地方では車通勤が主流で電車を使うこと自体少ないので満員電車に乗ることはまずありません。

とはいえ、柔軟な働き方を認めている会社であれば、都会勤務でも在宅勤務やフレックスを活用して満員電車を避けることもできますし、地方は地方で車の渋滞問題があるので一概に地方が優位とはいいにくくなっています。

地方勤務のデメリット|僻地工場勤務がつらい、地獄と言われる理由

最新の流行、エンターテイメントが楽しめない

地方(特に僻地)には、当然、最先端のアパレル店などはありません。あるのは「イオンモールのテナント」、「しまむら」、「ワークマン」など安価なファミリー層向けの店がほとんどです。

県庁所在地まで出ればある程度店もありますが、移動で疲れますし、所詮は本物の大都市にかないません。これは刺激や流行を求める多くの若者にとって大きなデメリットです。

キャリ造
キャリ造

休日はイオンモールになりがちです。

さらに、ライブやコンサートのような大都市で行われるイベントや有名テーマパークに行くとなると家族全員で宿泊も含む大移動となるので時間も費用も労力も甚大です。

移動に交通費と労力がかかる

ファッションやエンターテイメントといった娯楽やレジャーを楽しもうとすると、毎回大移動になるので交通費と労力が嵩みます。

僻地では県庁所在地に出るだけで車で1時間はかかるのでガソリン代もかなりのものです。

キャリ造
キャリ造

僻地は意外とお金がかかります!

車の購入・維持にお金がかかる

地方では車が必需品で車がないと買い物もレジャーもできず「現代の文化的な生活」ができません。

車はとにかく金食い虫で、購入費はもちろん、税金や車検、メンテナンス代、ガソリン代でお金がどんどん出てゆきます。

工場勤務における労働環境が古い、汚い

現場なので致し方ないのかもしれませんが、働く事務所は大抵ボロボロで汚いことが多く、都会のキラキラオフィスとは対極に位置しています。

大都会の本社と地方工場とでは同じ会社であるにもかかわらず格差が大きいです。

キャリ造
キャリ造

人を集めるためにもこれくらいは何とかして欲しいですね…。

出会いの機会が少ない・努力しないと寂しい生活

近年、若い方の多くは僻地を避けて、都市部に出るので出会いの機会が少ないです

マッチングアプリ等で恋活するのであれば、最低でも県庁所在地まで出ていく必要があります。

一方で地方自治体もこれを問題視しており恋活イベントの開催などに取り組んでいるところもあります。

子どもの教育・習い事の選択肢がない

私自身は、アウトドア好きの野生児(笑)なのでいいのですが、子どもが選択できる学校であったり習い事の選択肢がないことは大きな懸念点です。

小さいうちは自然の中で伸び伸びと育てたいのですが教育環境としては不安が残ります。

「絵を描くのが好き」「パソコンでプログラミングをするのが好き」という芸術、文化系の子どもを多様性が認められにくく「運動ができて喧嘩が強いヤンキーが一番偉い」という世界の中で過ごさせるのはかわいそうなことです。

地方勤務についてのよくある誤解

地方勤務の魅力として生活費がかからないことや自然豊かな環境がアピールされがちですが、それでも多くの人が地方勤務を忌避するのにはやはり相応の理由があります。

地方は生活費がかからないのは本当?

これまで述べたように、地方は家賃は確かに安いのですが、買い物やレジャーをするための交通費にお金がかかったり、車の購入・維持にお金がかかるので、車を持たなくでも気軽に買い物やレジャーができる都会よりも余計な出費が嵩みます。

キャリ造
キャリ造

節約すると山奥の仙人みたいな生活になります…。

物価も都会より安いと感じたことはありません。近くの産直で買ってもそれなりの値段がします。

通勤は都会よりも楽?

確かに地方では満員電車に乗る必要はありませんが、通勤時間帯の工場へ向かう国道は車でいつも渋滞します。車の中なのでプライバシーは保たれますがそれでもかなりのストレスになると思います。

さらに問題なのは、地方工場はテレワークに対する理解が薄い、あるいは現場系でテレワークでは仕事にならないことが多いので、毎日通勤しなければならないケースも多いです。

こうして考えると地方工場の通勤は都会よりも辛いのかもしれません。

キャリ造
キャリ造

職場文化的にも都会と差があったりします…。

私は人込みも渋滞も嫌なので基本的に在宅勤務して、用事があって工場に行くときは自転車で片道10km走ります。

田舎は空気と景色が綺麗?

地方工場は海沿いの工業地帯にあることが多く、はっきりいって空気は汚いです(光化学スモッグの注意報も出ます!)し、工場に向かう国道はゴミや動物の死骸が放置されたままでさながら世紀末のようです。

工場周辺に関しては空気も景色も期待しない方がよいでしょう。

キャリ造
キャリ造

私はこれが嫌で工場から離れた自然豊かな場所に住んでいます!

負け組とは言わせない地方勤務の生活・楽しみ方

これまでの解説で地方勤務のよいところを紹介したかったのに、少し暗雲が立ち込めてますが、明るい話題にするために地方勤務を乗り越えるための生活術や楽しみ方を紹介していきます。

ここで紹介する場所は「島根県」です!島根県は僻地なのですがとても魅力的な場所で正直移住したいくらいです。

キャリ造
キャリ造

ここからは明るい話題です!

車は必須・好きな車に乗る

地方では車での移動時間が長いので「せめて車は好きな車に乗る」のがおすすめです。

私は「オフロード車」が好きなので「ジムニーシエラ」に乗っています。正直乗り心地は良くないし後部座席が狭く家族には不評ですが、運転するのが楽しいので長距離移動もそこまで苦ではありません。田舎の「酷道」も軽々と走破してくれます。

出雲市の道の駅「キララ多岐」にて日本海に沈む夕日は格別です

ただし、無理して身の丈以上の車を買ったり、改造にのめり込むとお金が嵩んで生活の質が一気に落ちるのでやめておきましょう。

私のおすすめの趣味・楽しみ方

キャンプ・焚火等のアウトドア

キャンプをして仕事やデジタル機器から離れて焚火を眺めながら過ごすととてもリフレッシュできます。

独身のうちはソロや仲間内で楽しめますし、家族ができたらパートナーや子どもと楽しんでもよいので長く楽しむことができます。

大田市と飯南町の間に跨る三瓶山、キャンプも楽しめます!

温泉・サウナ

地方には温泉施設が結構あります。「メンタルがやばいときは温泉に行け」といわれるように秘境の温泉にいって浸かるとリラックスとリフレッシュ効果があります。

出雲市の四季荘、上質なサウナと自然の中での外気浴は格別です!

特にサウナは心と体をディープリラックスさせ、リフレッシュになるのでおすすめです!

ドライブ

地方では自然の中をドライブするのも楽しいです。観光案内や特産品を売っている「道の駅」が点在しているのでそこを巡りながらドライブをするとその地域の魅力を発見することができます。

浜田市のドライブイン日本海、レトロなドライブインもドライブの楽しみの一つ!

釣り

海でできる気軽なレジャーとしておすすめです。サーフィンやカヌーよりも敷居が低くて自然を感じることができてリフレッシュになります。

余談ですが、釣りは「魚の立場で考えながら、道具や釣り方を選択し、実際に釣りをして、上手くいかなければ道具や釣り方を見直す」ということを繰り返すので、魚に例えて失礼ですがビジネスや恋愛にも応用できるスキルを身に着けることができます。

また、釣りスポットには同じ趣味を持つ仲間が多く集まるので友達を増やすこともできますし、地方工場でも釣りを趣味としている人は結構多いので社内の人脈を広げることもできます。

僻地での出会い

僻地でも素敵なパートナーがいれば、僻地が問題とならないくらい一気に生活が楽しくなります。

一般的に私も含め多くの理系男子にとって恋愛の難易度は非常に高いため、これを解説するだけで一つの記事が書けそうです。

出会いのチャンスとして以下が挙げられますが僻地ではそもそも出会いのチャンスが少なく、無情ですが「ドラマやアニメのような運命の出会い」は99%ないです。

かなり厳しいですが、自ら行動してチャンスを獲りにいかなければ「彼女いない歴=年齢」のまま年老いていくだけです。

  • 偶然(運命)の出会い(99%ありません)
  • 知人の紹介(合コン含む)
  • 恋活イベント(街コン、相席屋含む)
  • マッチングアプリ

おすすめは「マッチングアプリ」です。ですがマッチングアプリは登録すれば彼女ができる魔法のツールではありません。私も半年間恋活して試行錯誤と挫折を繰り返しながらも最終的に今の妻と出会いましたので、かなりの努力が必要です。

それでも脱出・転職したいとき

これまで、地方勤務のポイントについて述べました。僻地でも頑張ってみて数年後、そこに残るか、異動するか、転職するかを自由に選択できるように以下のことに取り組んでみましょう!

転職サイトに登録して企業が求める人材・スキルを確認

すぐに転職しないとしても、転職情報に対してアンテナは張っておくべきです。こうすることで、企業のニーズを把握して、自分が将来に向けて何をすべきかが見えてくるはずです。

実務経験を積み重ねる

僻地に配属されても、そこで得られることを全て吸収するつもりで実務に取り組みましょう。現場に近い環境ゆえに得られることも多いはずです。さらに職務経歴書に書くことを意識して経験を積むようにするとよいです。

こうすれば、転職に必要なスキルとしてアピールできますし、働きが評価されて転職しなくても望む働き方が実現できるかもしてません。

私も僻地の造船所の現場で働いていましたが、知財の仕事をして現場から離れた今でも知識の引き出しの一つとして役立っています。

資格等を取得する

実務経験が一番大事ですが、資格の取得もおすすめです。目指す職種で必要になる資格を取ればいいのですが、どのエンジニアでも活用できる資格としては、

  • 技術士
  • TOEIC

がおすすめです。

副業に挑戦する

僻地でも副業をきっかけに独立して自由な働き方を実現できている人もいます。今後副業が当たり前になってくると思いますので、趣味の一つとして簡単なものから始めてみるとよいと思います。

私の理想の勤務地

私個人が考える理想的な勤務地を言えば、中堅都市(神戸、広島、福岡あたり)が都会勤務と地方勤務のいいとこどりができて最も幸福度が高いのではないかと思います。

都心に気軽に行ける場所で生活をして最新の流行や文化を取り入れつつ、たまに車で自然の中に繰り出してリフレッシュするという生活が一番幸せでした。

まとめ

正直、地方勤務は、私のようなアウトドアや旅が好きな一部の人を除いて、多くの人にとって辛いと感じることが多いと思います。ですが、そこで得たスキルや経験はこの先の人生で良い経験としてきっと役に立つはずです。

辛いこともバネにして都会勤務に負けないキャリアを切り拓いていただければと思います。

キャリ造
キャリ造

都会で働きたいエンジニアの方には知財業界がおすすめです!

この記事を書いた人
キャリ造

社会人の転職や大学進学、資格取得に役立つ情報を発信しています!
高専卒社会人から大学編入して船舶工学を学び日本船舶海洋工学会奨学褒賞を受賞しました。造船・重機メーカー3社、特許事務所を経験し弁理士試験に合格、現在は知的財産の仕事をしています。それらの経験から高専卒業生や知財業界志望者から相談を受けることもあり、エンジニアのキャリアに関する情報発信を始めました。

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