この記事では、高専本科卒業で造船メーカーに就職した私が高専卒の現実に直面して社会人から大学に3年次編入学した体験談を紹介します。
私のように高専本科卒で就職した方の中には、このようにキャリアについて悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

高専本科卒で就職しましたが、高専卒と大卒とでキャリアパスに違いがあって、このままでよいのか悩んでいます。

方法の一つとして社会人から大学に3年次編入学するという方法があります。私の実体験を紹介するので参考にしてみてください!
この記事では、高専卒で社会人として働いている状況から大学編入によってキャリアを切り開くためのロードマップを示していきます!
- 高専卒で就職したもののキャリアに不安を感じている若手社員
- 進路選択が近づいた高専生
成績は中の下。何も残せなかった高専時代
高専(高等専門学校)は、理工系の専門教育を通じて技術者を養成するための5年制の学校で、私は地元にある高専の電気電子工学科に入学しました。
中学時代の成績は良かったものの、日頃から勉強する習慣はありませんでした。そのため、周りは優秀な人ばかりの高専に入ると成績は中の下に落ちてしまいました。
予習復習もしなかったので授業にもついていけなくなり、テスト前だけ必死に勉強してなんとか落単を回避していました。

留年こそしませんでしたが成績順位は約40人中20番前後を行ったり来たりして、部活やアルバイトもせずに実家と高専を往復するだけの日々を過ごしていました。
クラスでの存在感もなく、周りから軽く見られていた学生時代でした。

大学や大学院は自分には関係ないものと思っていました…。
社会に出て知った学歴社会の現実
情報不足状態での安易な進路選択
高専時代、入学時のオリエンテーションで先生に言われた「高専卒は大卒と同等」という言葉を本気で信じていました。
そのため、わざわざ大学に行かなくても大手企業に簡単に入れる高専卒で就職すれば大卒社員に負けない活躍ができると謎の自信を持っていました。
私は乗り物マニアなので自分が好きな航空関係や船舶関係の会社に就職さえできればそれでいいと安易な考えで就職活動を始めました。
そして、就職活動の結果、高専本科を卒業して大手造船メーカーに高専高卒事業所採用という区分で新卒入社しました。

本社採用と事業所採用の違いすら認識せずに入社しました。

入社式でいきなり学歴の壁にぶつかる
入社式が大学・大学院卒新入社員は迎賓館、高専・高卒新入社員は現場のプレパブで別々に行われ、いきなり学歴と採用区分による格差を思い知らされ、高専卒の現実を思い知らされました。


しかし、研修期間を通じて自分が置かれた現実を徐々に受け入れることができるようになりました。
そして、船の建造の計画を行う部署に配属され、自部署や設計部署、溶接現場、塗装現場などを回って船に関する基礎教育を受けながら仕事を覚えてゆき、半年を過ごしました。

大学編入で未来を変えることを決意
初めての社会人生活に一定の充実感を感じながら一生懸命仕事に取組みました。
しかし、社内の様子を見たり先輩社員から話を聞いていくと、私は高専高卒事業所採用であるため、大卒本社採用とキャリアパスが異なり、ジョブローテーションはなく、基本的にはずっと同じ部署で同じ仕事を続けることがわかりました。
さらに、昇進においても、一定以上の役職に就くことが困難であることもわかりました。


自分の目指したいキャリアと今の学歴・採用区分とのギャップに悩みました…。
そのため、ここにきて「このままでいいのか」、「何か行動しなければ」と真剣に悩むようになりました。
そこで、公務員への転職を考えたり紆余曲折があった末、国立大学の船舶工学系学科への3年次編入して未来を変えることを決意しました。
そして、入社1年目の10月から働きながら受験勉強を開始しました。

高専時代勉強嫌いだった私がここにきて一念発起しました!
8か月間、630時間勉強して大学編入試験に合格
翌年の6月にある編入試験に向けて、微分積分、微分方程式、線形代数、力学、英語(TOEIC)の勉強に約8か月間取り組み、仕事終わりの夜や休日を使って少なくとも630時間は勉強しました。

勉強時間をアプリで記録・管理しました!
高専時代まともに勉強しませんでしたが、いままでの自分と決別して人生を変えたいと必死で勉強に取り組みました。
その結果、第一志望の国立大学に合格を果たすことができました。

会社に内緒でこっそり受験しました。
会社を退職して大学に入学
大学編入試験の合格発表は6月下旬で、入学手続きは12月下旬なので合格発表後の半年間は普通に働いて過ごしました。

後ろめたい気持ちはありますが何事もなく普通に働きました。
そして、12月下旬の入学手続きのタイミングで所属長に「大学に進学したいので退職したい」旨を伝えました。
そのことで、所属長や人事からかなり怒られたり、残務処理に追われたりして精神的に追い込まれながらも1月下旬になんとか退職して逃げるように実家に戻りました。

退職手続きのストレスで帯状疱疹になりました…。
実家では、これから始まる大学生活に期待を膨らませながら入学準備を進め、大学近くで一人暮らしを始めて4月に晴れて大学生になりました。

人生の春休みを満喫しました!
充実した大学生活
短いながらも社会人を経験していたので、大学では勉強や課外活動に存分に打ち込めるありがたみを感じながら大変充実した時間を過ごすことができました。

社会人から編入してきた2歳年上の私でしたが友人にも恵まれ、勉強や研究に打ち込んだ結果、成績は学科2位、卒論成績1位で表彰もされました。

パッとしなかった高専時代から劇的に変わりました!
成績順位20番のいわゆる陰キャで周りから見下されていた高専時代から自分を大きく変えることができました。

再び大手メーカーに新卒入社
大学院修士まで進み、現役生より2年遅れの26歳での就職活動でしたが、大手建設機械メーカーへの就職が決まりました。
建設機械メーカーでも新たな仲間に恵まれ、希望通り開発担当者として充実した日々を過ごします。

2年遅れで大学編入してもきちんと就職できました!

ところが、「会社の看板に頼らずに専門職として社会に認められたい」と欲が出てしまい、弁理士を目指して特許事務所に転職しました。
しかしそこで待っていたのはクラッシャー上司に詰め倒される日々。弁理士になるもののメンタルやキャリアの危険を感じて再び転職活動をしました。

キャリアが沈没しかけるもなんとか復活しました!
そして、現在は大手メーカーで知財担当者としてのキャリアを歩んでいます。
まとめ
高専卒社会人から大学編入したことを通じてわかったことを以下にまとめます。
- 高専卒社会人で働きながら勉強して国立大学に3年次編入は可能
- 大学生活において年齢でのハンデを感じることはない
- 現役生より2年遅れの26歳でも大手企業に就職は可能

高専生のキャリアや大学編入のノウハウをまとめていますので参考にしてください!
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