高専時代の専攻についてやり尽くした感を感じたり、新しい知識を得たいという知的好奇心から大学編入をきっかけに専攻を変えたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

高専では電気電子工学科でしたが機械工学科に編入したいです!

私は社会人からの編入でさらに電気系から機械系に転科しましたのでその体験を紹介します!
大学編入試験の乗り越え方
編入試験の内容は大学によって異なりますが、他学科から電気電子系学科や情報系学科への編入よりも機械系学科への編入の方が比較的勉強しやすい印象です。
機械系学科への編入の場合は数学と物理の試験が課されることが多く、微分積分、微分方程式、線形代数がしっかりできることと、それを使って力学の問題を解ける能力が重要だと思います。

私の場合は、機械系学科で力学に関する口頭試問でした!
電気電子系学科への編入の場合は、電磁気学や電気回路の知識が問われることもあり、機械系学科よりも科目が特殊でハードルは高めです。
とはいえ、基本的には市販の参考書で対応できる範囲なので決して不可能ではないと思います。

私が知っている転科のケースは下記の通りです。私の印象では、電気電子工学においては見えない電気を数学で表現するために数学を多用するため、その数学の知識がどの学科でも通用しやすい印象です。
- 電気電子工学科→機械工学科(船舶工学)
- 制御情報工学科→機械工学科(機械工学)
- 電気電子工学科→理学部(数学科)
- 機械工学科(機械工学)→機械工学科(船舶工学)
単位認定と編入後の授業について
高専から学科を変えて大学編入した場合、高専で取得した単位が大学においてどのくらい認められるのか(単位認定)が気になると思います。
単位認定の結果によって編入後の忙しさが変わってきます。

私の場合は、思っていたよりも多くの単位が認められた一方で、機械工学において特に重要な流体力学系や材料力学、一般教養の一部に関しては単位が認められないので、毎週3年生の科目に加えて2年生と一緒にこれらの科目の授業を受けました。
しかし、流体力学系や材料力学を学ぶために転科したのでそれは臨むところであり、文系の学生とも一緒に受ける一般教養の科目を通じて視野を広げることができたので、とてもよかったと思います。
- 材料力学2コマ(180分)
- 流体力学2コマ(180分)
- 運動学1コマ(90分)
- 第2外国語(ドイツ語)2コマ(180分)
- 教養科目1コマ(90分)
一見すると授業数が多くみえますが、大学工学部の場合3年生になると授業量がかなり減って暇になってくるので、科目が多くてつらいということはなかったです。

それなりに忙しいですが新たな学びは楽しいです!
むしろ、高専からの延長線では得ることのできなかった新しい知識を得ることは楽しいですし、機械系学科に転科した以上、材料力学と流体力学はしっかりと授業を受けたかったので、とても充実した経験になりました。
テストに関しても、高専時代より科目数が少なく、1週間で10数科目を一気に駆け抜ける高専のテストと比べてテスト日も分散しているので高専のテストよりもかなり楽でした。

また、成績の算出においては、単位認定された科目は考慮されずに、大学編入後に受けた授業のみで算出されました。
それらの科目は比較的点がとりやすい科目ばかりだったので、成績順位が学科2位まで上がりました(もちろんかなり勉強しました)。その結果、院試を推薦で受けることができ、大学院への進学も順調に決まりました。
さらに、工学実験や実習系科目も高専時代の経験を活かして難なくこなすことができました。
高専の学科と違う学科への大学編入のまとめ
高専の学科と同じ学科へ大学編入することが一般的ですが、高専のカリキュラムと大学のカリキュラムの重複も多くて3年次は授業数が少なく、若干の物足りなさを感じるかもしれません。
私の場合は、社会人からの編入でしかも転科という大きな挑戦でしたが、学位はもちろん、機械と電気両方に対応できる知識を身に着けたことはその後のメーカー開発業務や知財業務において十分に活かされていると思います。
この記事を参考に新たな学びに挑戦することを考えてみてはいかがでしょうか?
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