エンジニアとして工場で働いているけれど、リモートワークとは程遠い環境で毎日工場に出社しないといけなくてリモートワークできる職種へのキャリアチェンジを考えている方も多いのではないでしょうか。

毎日工場に出勤しててリモートワークに憧れるのですが、未経験からリモートワークできる職種に転職できるのでしょうか?

私も生産計画や開発をしてた頃は毎日工場に通っていましたが、未経験から知財職に飛び込み、今は週3日くらいでリモートワークしています。
この記事では,、造船所の現場で働いていた私が様々な職種を経験しながらリモートワークできる知財の仕事に辿り着いた経験を基に、各技術系職種のリモートワークとの親和性やリモートワークできる職種にキャリアチェンジした体験談をまとめます。
- 毎日の出社がつらいエンジニア
- 技術系でリモートワークができる職種に就職したい学生
造船所での生産計画(生産技術)
高専卒で入社した造船メーカーでは生産計画の部署に配属されました。
仕事内容としては、
- 船の工事予定表を作成。
- 予定通りに工事が進むように現場や設計と調整を行う。
- 効率よく工事ができるように作業や設計を改善。
と現場に関することを総合的に行います。

私が働いていた2010年代前半はリモートワーク自体がほぼなかったですし、リモートワークが一般的となった現在においても現場と設計の調整役であるという仕事柄、現場や設計に行って現地現物で直接話さないと仕事が進まないので、リモートワークとの親和性はかなり低いです。
チームワークを発揮して大きなものを造り上げるという点に魅力がある職種なので、スポーツチームのような働き方がしたい体育会系の方に向いている職種です。
大学でのソフトウェア開発(プログラミング)
造船メーカーを退職後、大学に進学して大学と大学院での研究を経験しました。
仕事とは少し違うかもしれませんが、研究では電気推進船の操縦運動と推進電動機の特性をシミュレーションするソフトウェアを開発する研究だったので、ソフトウェア開発(プログラミング)に近い仕事を経験できました。

研究の進め方はほぼ個人ワークで、進捗や困りごとがあれば指導教授に相談するといった進め方になります。
また、私の研究室では試験水槽で模型船を走行させてデータを取得(数人のチームで行う)して解析する研究をしていた人が多かったのですが、私の研究は実験設備も高性能なパソコンも必要がない研究だったため自分のノートパソコン一つで研究することができました。
したがって、内容にもよりますがソフトウェア開発(プログラミング)の仕事はリモートワークとの親和性はかなり高いです。
私はメーカー3社を経験しましたが、やはりソフトウェア開発職は週2回以上のペースでテレワークをしている方が多かったです。
ただ、私の場合は研究室に行かないと気持ちが切り替わらないですし、友達と話すのも楽しいので平日は毎日大学に行き、土日はしっかり休むという生活をしていました
ただし、この職種の大変なところは、頑張っている姿が見えやすく、体を動かせば何かしらの結果がでる現場の仕事と異なり、プログラムに少しでもバグがあるとまともな結果はでないですし、「結果が出ない=何もしていない」とみなされる厳しさがあります。
また、自分が作ったプログラムは自分にしかわからないので、困っても誰にも頼れず自分で解決しないといけない点も大変でした。
建設機械のハードウェア開発
大学院修了後は建設機械のハードウェア開発(エンジン関係)を経験しました。
仕事内容としては、
- 他の開発担当やサプライヤと協力しながら設計仕様をまとめて設計審査を通す。
- CADオペレータと協力しながら出図をフォロー。
- 試験部と協力しながら試作機試験をフォロー。
- 生産技術と協力しながら量産初号機をフォロー。
- 上記の業務をこなしながら大学との共同研究などの新技術開発に取り組む。
となります。

これからわかるように様々な部署の様々な人とコミュニケーションを取らないと仕事が進みません。
毎日、機種責任者、電気担当、油圧担当と集まってCAD図面を見ながら議論したり、社内や共同研究先の大学に行って実験をしたりと出社しないとできない仕事が多くあります。
したがって、リモートワークとの親和性は意外と低いです。
私が働いていた頃にコロナが流行り、最低週1日は在宅勤務するように指示されていましたが、出社しないと仕事モードに切り替わらないし、生活場所と仕事場はしっかり分けたかったので可能な限り出社しました。
独身だったので、家にいても孤独ですし、出社して同僚や同期とワイワイガヤガヤ仕事をする方が居心地がよかったです。
特許事務所での不本意なリモートワーク
建設機械メーカーを退職後、未経験で特許事務所に転職します。
仕事内容としては、
- 特許出願するための書類作成
- 特許庁とやりとりするための書類作成
- 特許調査
となります。
基本的に個人ワークで自分とクライアントとのあいだで仕事が完結するため、リモートワークとの親和性は非常に高いです。
一人前になれば理想的な働き方ができますが、一人前になるまでは毎日出社して修行です。
それはよいのですが、私は運悪くクラッシャー上司(部下を潰しながら出世していく優秀な上司)の下についてしまい、狭いオフィスでクラッシャー上司と2人きりになることも多く、クラッシャー上司に詰められ続ける地獄のような毎日でした。

さらに、プライベートの時間の大部分を弁理士試験の勉強に注ぎこまないといけないので修行中の過酷さはかなりのものです。
最終的にクラッシャー上司により事実上仕事を干されます。
在宅勤務させて環境を変えれば仕事ができるようになると思っていたのか、人間関係から切り離したり立場を悪化させて辞めさせるためなのかわかりませんが、出勤は週1でいいと言われ、出社を申し出ても断られました。
結局、リモートワークで自宅が追い出し部屋となるような形で指示された謎の作業を延々と続けることになり、かなりつらいものでした。
最終的に所長から退職を示唆されたため転職先を決めてから退職しました。
企業知財でのリモートワーク
現在は大手メーカーの地方工場で知財担当をしていますが週3くらいで在宅勤務をしています。
会議で工場に行かないといけないときや、会議がなくても開発部門とコミュニケーションを取るために必要に応じて出社はしています。

リモートワークをして実感するメリットとしては、
- 通勤時間をいう無駄な時間がない
- 着替えなどの出社に起因する無駄な時間がない
- 快適な環境(空調、照明、BGM、飲み物、服装)で集中して仕事ができる
と挙げればきりがありませんが、最大のメリットは、人生における家族との時間が大きく増えることだと思います。
毎日出社すれば家族と過ごせる時間は平日の夜の短い時間と土日だけになり、会社で人生のほとんどを過ごすことになります。
一方で週3で在宅勤務すれば、家族と過ごせなくなる時間は週2日の昼間だけとなり、人生のほとんどの時間を家族と過ごすことができます。

人生のほとんどを会社で過ごすよりもしっかり仕事はこなしながら家族がいる家で人生のほとんどの時間を過ごす方がずっと幸せだと思います。
一方で、途中経過での頑張りが同僚や上司には見えないのでしっかりと結果を出し続けることが求められますし、サボっていると思われないように以下のことを気を付けています。
- メールやチャットには即レス
- 作業内容の共有や日報はしっかりやる
- あらかじめ作業時間を決めて集中してその時間内にやりきる
- 頭が冴える午前に頭を使うことをして、午後は単純作業をする
まとめ
コロナ禍は社会にとって不幸な出来事ですが、日本人の働き方を変える転換点にもなり、リモートワークが社会に広く普及しました。
しかし、製造業や地方ではリモートワークに対する体制や理解が遅れていることも実感しています。

まずは、リモートワークと親和性が高い職種へのキャリアチェンジを目指してみてはいかがでしょうか。
- ソフトウェア開発
- 知的財産
特に知財業界への転職については別の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
コメント